秘宝の里の毒矢は稀に媚薬である(R-18)

[俱姥俱]秘寶之里的毒矢有一定機率是媚藥 的日文版。





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  「あいたっ!」

  「チッ……」

  毒矢の罠が作動し、御手杵と大倶利伽羅が被害者となった。

  「うぇ、ピリピリする……」御手杵は顔を歪み、傷口をさすった。そこから黒く変色した血が出ている。

  「ほら。」骨喰藤四郎が包帯を取り出し、御手杵の手当てをし始める。大倶利伽羅の手当てをしようとした山姥切国広にも包帯を渡した。

  「みんな!前方に敵影!槍、雁行陣です!」堀川国広が声を上げる。

  現れたのは六体の槍で編成された部隊。うちに三体が異様に禍々しい気配をまとっている。

  「方陣で応戦だ!まずは投石で強い方の三体を狙うぞ!」山姥切国広は速やかに指示をした。


  遡行軍は全滅。こっちは骨喰藤四郎と堀川国広が中傷。勝負あり。

  山姥切国広はいつものように大倶利伽羅のもとへ向かおうとしたが、突き飛ばされた。

  「大倶利伽羅?」怪訝そうに、山姥切国広が目を見開く。

  「おいおい大倶利伽羅…お前まさか、さっきのあれ、『あたっちまった』のかよ……?」大倶利伽羅の近くにいた和泉守兼定は、彼の呼吸が異様に速いことに気づき、そう言った。

  「…平気だ。山姥切さえ近寄らなければ。」いつものように穏やかな声色で、大倶利伽羅が答えた。しかしやや息が荒い。

  「撤退しようか?」山姥切国広が眉を顰める。

  「無理しないほうがいいぜ。こないだ蜂須賀のやつ、最後まで無理矢理強がっちまって、本丸に帰ったら即刻倒れ——」

  「敵本陣は目の先だ。」大倶利伽羅が和泉守兼定の言葉を遮った。

  大倶利伽羅を見遣って、山姥切国広が小さくため息をついた。そしてもう一度前を向く。

  「……進軍だ。さっさと片付けるぞ。」

***

  敵本陣撃破。転送ゲートをくぐって本丸へ戻った第一部隊。

  「じゃあ今日の出陣はここまで。兄弟と骨喰は先に手入に行ってくれ。御手杵、和泉守は玉と楽器を——えっ、ちょっ、待って大倶利伽羅——」

  大倶利伽羅に後ろ襟を掴まれて、そのまま引きずられていく山姥切国広だった。

  「やれやれ……」遠ざかっていく二振りを見て、和泉守は呆れる——大倶利伽羅のその目に、一点の光もなっかたぜ。「……大倶利伽羅のやつがあんな表情なのに、澄まし顔で指揮とってるうちの総隊長もさすがだぜ……」

  「まあ、兄弟は一度一つのことしか考えられないタイプなんだよ。ふふ。」

***

  「おいおおくり、かっ、ら……」引きずられて自室に入った。大倶利伽羅が乱暴に襖を閉め、そして捕食する獣のような勢いで口づけ——否、噛みついて来た。

  壁に後頭部を打った。噛まれた唇から血が滲む。密着している大倶利伽羅の体が熱い。痛みと興奮が入り混じる。

  キスで頭がクラクラしながらも、相手の防具をほどいていく。まぐわいの最中あのトゲトゲで怪我するなんてごめんだから。

  大倶利伽羅が一旦キスを止めて離れた。はーはーと息を切らしながら、潤んだ瞳で山姥切を見詰ている。

  そして、手を彼の股間に伸ばし、割と強い力でそこを押した。

  「あっ…」突然の快感に思わず声を漏らし、山姥切が危うく腰を抜かそうになった。

  「ひいっ…、おおくりからぁ……あっ、あん……」

  ズボンと手袋越しでも、はっきりと伝う脈打つ熱と硬度。容赦なく揉んでやる。手のひらが気持ちイイ。耳元に山姥切の吐息と喘ぎ声が気持ちイイ。

  もう一度、その口をふさぐ。

  「山姥切っ、んっ…」口づけも気持ちイイ。ずっとこのまま絡みつきたいとすら思った。でも、それと同時に、色々と満たされたくて仕方がない。「よこせ」、と彼の前に跪き、彼がベルトを外した後、そのズボンと下穿きをまとめて引き下ろす。

  「は…」猛るそれを見て、思わず喉を鳴らす。何故かひどく幸福な、脳がとろけるような気分になる。口を開けてそれを奥まで咥え込む。

  「ぐっ、はっ…!お、おーくりから、まっ…て、あっ、ああっ…んっ…!」媚薬にかかったのは大倶利伽羅の方とはいえ、自分も彼のおかげてとっくに余裕がなくなっている。そしてそのしゃぶり方——全く緩急付けずに、ただただ猛攻しているだけだ。さらにその光景——『恋人が自分のモノを夢中に咥えている姿』より劣情を煽るものなんて、この世にあるまい。あまりの激しさに、気を失いそうだ。

  媚薬のせいで、全身の感覚がおかしくなっているのだろう。口腔がまるで性器になったとでも言うか——喉を圧迫するその質量が、摩擦感が、本当につながっている時のように気持ちよくて……否、それ以上いいかもしれない。狂いそうだ。

  悲鳴にも近い山姥切の喘ぎ声を聞いた。そして口の中の獰猛が跳ね、喉彦が絶妙な角度で掻かれて、山姥切の熱い子種が咽頭の粘膜にぶつかる。温度も感触も味も何もかも可笑しなくらいイイ。ごくりと飲み込む——精液が食道口に通るその感触さえ脳髄を震わせるほどの快楽をもたらした。視界が白む。山姥切のすぐ後、彼も達した。

  それ以上刺激を受けたら壊れてしまいそうだ。が、体の芯に燻る熱が下がることなく、まだ射精していない自身も痛いほど硬いまま。欲しい。苦しい。はーはーと喘ぎながら、こみ上げた涙で目を潤ませた。

  「大倶利伽羅…?」その尋常じゃない反応に少し心配になって、座り込み、相手の顔を覗き込む。彼の呼びかけに応じて、大倶利伽羅が顔を上げた。恍惚した双眸は、どこも見ていない。

  「大丈夫?」声をかけ続けながら、自分と彼の服を脱ぐ。そしてゆっくりと押し倒して、その上に覆いかぶさる。肌が重ねる時に彼は熱の籠った呻き声を上げた。

  大倶利伽羅の匂いがいつもより甘美な気がする。脳が痺れるような幸福感を覚える。さっき達したばかりの自身も段々硬さを取り戻した。

  「どのようにしたい?」問いながら、なだめるようにその瞼にいくつか口づけをし、目尻に溜めた涙を舐め取った。

  しかし大倶利伽羅は恍惚なまま、彼の言葉は届いてなさそうだ。

  媚薬のせいで辛いなら、少し解放したらましになるかと、思って、彼の欲望に手を伸ばす。

  「ひいっ、…ああ!」大倶利伽羅が大きく背を反らし、嗚咽の声を漏れた。

  「えっ」とちょっと驚いて手の動きを止め、顔を上げて相手を見る。でも視線を上に向けると同時に、視界の端にある人影が見えた。

  ——こたつの中に、すやすやと寝息を立てている、山姥切長義。

  そういえば確かに、この数日の出陣時、長義はこの部屋に来ると、審神者から話を聞いている。今日はいつもより早めの帰城だから、長義はまだここに…
  
  よそ見するなと言わんばかりに、大倶利伽羅が彼の首に腕を回してくる。

  「もう、入って、今すぐ…」絞り出したような声。欲に濁った金眼。ここまで蕩けた大倶利伽羅を、山姥切は初めて見た。カーッと熱くなった——もう、やめられそうにない。たとえ部屋に他人がいても。

  ——せめてと思って、体勢を変えた。自分の背を長義に向けるようにする。彼が目覚めたら、あんまり色々と見えなくて済むように。

  唾液で指を濡らして、彼に侵入する。艶っぽい息遣いが耳元に響く。内壁は割と柔らかい、媚薬の作用だろうか。すんなりと拡張が進んでいき、指をもう一本増やしたところ。

  「山姥切…」大倶利伽羅が上半身を起こして、切なそうな目を山姥切に向けた。

  その意図を読み取って、指を抜く。そして大倶利伽羅は彼の肩に手をつき、彼に跨る。

  「はあ…、山姥切…、んっ…」と、とぎれとぎれに呻き声を漏らしながら、大倶利伽羅は震える体を下ろして、山姥切のものを胎内に飲み込んでいく。

  彼を支えている山姥切だが、ふと赤色に目が引かれた——一つは肩に、もう一つは脇腹のあたりに、さっきの出陣で負った傷である。どうやら動きで傷口が開いたようで、巻いている包帯は赤く滲んでいる。その光景に、思わず顔を顰める。

  「おい、大丈夫か…」

  「やまんばぎり……」答えより、大倶利伽羅はただうっとりとした声で彼の名を呼んで、彼をもっと奥に受け入れようとする。

  「あっ、ああ……やっ、やまんば、ぎりぃ……」そして最奥まで飲み込むと、彼にきつく抱きつき、腰を揺らし始めた。

  「んんっ、……大倶利伽羅……まっ、待って……」ありったけの意志力を駆使してやっと、即刻絶頂してしまうのを避けた山姥切だった。

***

  「はあ……はあ……やまんばぎり……」絶頂の後、大倶利伽羅は肩で息をしながら、彼に力なくもたれかかっている。

  「…どう?まだ辛い?」問いながらまた、なだめるように、その耳たぶにいくつか口づけを落とす。

  「平気…」と答え、大倶利伽羅はゆっくり上体を起こして、彼と視線を合わせる。疲れのあまりに、まぶたが今にも閉じそうに、うとうとしている。

  そして、山姥切の唇の端に軽く口づけを落とし、また彼に寄りかかり、顔を彼の首筋に擦り付ける。「……悪いが、もう、動けないし動きたくもない。」

  恋人のこの甘えぶりに、山姥切は思わず口元を緩める。「少し寝ろ。起きた頃、手入れ部屋も空いたはずだ。」後ろ頭をポンポンと撫でて、ゆっくりと畳に寝かせる。ついでにその唇に口づけを。眠そうにも、彼はうっすらと微笑みながらその口づけを返す。

  少しこうしていた後、萎えた自身を抜け出し、そして彼の胎内に残した精液を指で掻き出す。

  「んっ…もう、いい……」大倶利伽羅が身をよじる。

  「でもまだ…」

  「後で、自分でやる……これ以上は……」

  どうやら媚薬の効果がまだ完全に抜けていないため、後処理は刺激が強すぎるようだ。山姥切は彼の身を清めることにする。その後自分も身綺麗にし、箪笥から二人の内番着を取り出し、着せて、着た。
  
  恋人の微睡む姿を眺めて、また愛おしくなり、もう一度唇を重ねた。

  このまま一緒に眠りたい。夕食までまだ1時間強、その時まで眠るとしよう。

  ふと、あることが脳裏によぎって、目が覚める。

  ——山姥切長義。

  そうだ。彼はまだこの部屋の中にいる。今はこたつの中に引きこもっているみたい——こたつの布団で刀剣男士一振り分の布団饅頭が出来上がっている。

  昼寝の邪魔をし、挙句にあんな光景を見せてしまって、流石にすまない……

  そういえば、彼は多分こういうことに知識はあるものの、経験はないだろうから、さぞ衝撃であっただろう。

  この本丸に来て日の浅い彼に、相手がいるわけもないから、ことあるときは、自分でするしかないだろう。

  ——こういう場合、自分のできる、一番誠意のある、彼にとって最も実益のあるお詫びって、やはり、あの一択だろう。

  意を決し、山姥切国広は立ち上がり、こたつに歩み寄り、その誠意に満ちた謝罪に取り掛かったのだ。

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